日本看護科学会誌
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周産期における母親の内的ワーキングモデルと胎児および乳児への愛着
大村 典子山磨 康子松原 まなみ
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2001 年 21 巻 3 号 p. 71-79

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抄録
この研究の目的は, Mullerの愛着モデルを用いて, 母親の内的ワーキングモデルと児への愛着との関連を検討するために, 母親の内的ワーキングモデルをタイプ分けし, 各タイプ別に胎児および乳児への愛着を検討することである.
妊娠後期から産後1ケ月の母親を対象とした短期縦断調査を行った結果,
1) 妊娠後期の胎児愛着得点と乳児愛着得点との間に中等度の相関が認められた.
2) 母親の内的ワーキングモデルを安定型, 不安定型, 回避型の3タイプに分類すると, 安定型の母親は他タイプの母親に比べ胎児への愛着得点が有意に高かった.
3) 安定型の母親は胎児愛着得点と乳児愛着得点との問に強い相関が認められた. 不安定型, 回避型の母親の胎児愛着得点と乳児愛着得点の相関は低かった.
以上の結果より, MÜllerの愛着モデルに関し, 母親の内的ワーキングモデルと胎児および乳児への愛着との間に関連があることが証明された. 内的ワーキングモデルは, 愛着の世代間伝達の問題を考えていくうえで重要な概念の一つであるが, これは出産後のみならず妊娠期から考慮すべき概念であると考えられる.
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© 公益社団法人 日本看護科学学会
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