日本看護科学会誌
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虚血性心疾患をもつ外来通院女性患者の心理的ストレス反応と影響要因に関する研究
小林 久子渋谷 優子
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2004 年 23 巻 4 号 p. 31-40

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抄録

本研究の目的は, 虚血性心疾患で外来通院をする女性患者の心理的ストレス反応に影響を及ぼす要因を明らかにすることである. 対象は回復期, 維持期の心臓リハビリテーションを実施していない80歳以下 (平均年齢64.5歳) の患者75名. 調査内容は心理的ストレス反応尺度 (PSRS50R), タイプA行動特性尺度, 情緒的支援ネットワーク尺度, 自作ストレス源の4尺度と, 対象者の属性である.
対象者の心理的ストレス反応に影響を及ぼした変数は, 心筋梗塞・冠動脈再建術・治療期間1年以上・無職・年収300万円以下・タイプA行動特性あり・情緒的支援ネットワークなし・ストレス源であった. ストレス源では「老化による衰え」「運動療法」「病気の先行き」が, うつ・不安・無気力・怒り・絶望などのストレス反応に影響を及ぼし,「家族の健康」「家族への責任」は引きこもりに影響を及ぼしていた. 虚血性心疾患女性患者のストレス支援には, 生活状況への個別的な対応と家族システムに対する環境調整, ならびに心臓リハビリテーションの必要性が示唆された.

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