日本看護科学会誌
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新卒看護師の職場適応に関する研究
-リアリティショックからの回復過程と回復を妨げる要因-
水田 真由美
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2004 年 23 巻 4 号 p. 41-50

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抄録

新卒看護師のリアリティショックの回復過程と回復を妨げる要因を明らかにする目的で, 9名の新卒看護師を対象に, 修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用い, 質的帰納的研究を行った. その結果, 以下のことが明らかになった. リアリティショックの回復過程では, 中核概念として「解決課題」が見出され, 回復を妨げる要因として「不安定さ」が見出された.「解決課題」には【基本看護業務遂行能力の獲得】【職場の人間関係の調整】【さまざまなケアへの対応能力の発達】【勤務形態への適応】【仕事と自己の価値観の調和】の5つのカテゴリーが見出され,「不安定さ」では【不安感】【不調和】【自尊感情の低下】【ゆとりのなさ】の4つのカテゴリーが見出された. これらの結果は, 今後の新卒看護師の支援のための資料となり, さらに看護基礎教育における効果的な教育への示唆が得られた.

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