日本看護科学会誌
Online ISSN : 2185-8888
Print ISSN : 0287-5330
ISSN-L : 0287-5330
「子どもの自律性(Autonomy)」の概念分析
小野 智美
著者情報
キーワード: 子ども, 自律性, 概念分析
ジャーナル フリー

2004 年 23 巻 4 号 p. 71-79

詳細
抄録
「子どもの自律性」の概念について, Rodgersの概念分析アプローチを参考にして, 小児看護における有用性を検討することを目的に概念分析を行った.「子どもの自律性」は, 理念的, 理論的言及に留まっており, 経験的にはほとんど追求されていなかった.「子どもの自律性」は規範的概念であり,「個々の」子どもが社会の中で「自由意志」によって「自己規定」しながら,「漸進的」な「道徳・倫理」をもとに「理にかなう」ように「自己を方向づけてゆく過程」であると定義づけられた.「子どもの自律性」は「基盤となる発達」と「学習的環境」,「健康や生命の問題状況」の先行要因と,「意志決定」や「自己強化」「自信の拡大」などの帰結を有するプロセスによって変化していく.「子どもの自律性」という概念は, 健康問題を改善する過程における「子どもの自律性」を解明していく研究や, 子どもの意志決定や行動力を向上させていくための看護介入の構築に有用である.
著者関連情報
© 公益社団法人 日本看護科学学会
前の記事
feedback
Top