2023 年 1 巻 p. 12-20
目的:本研究の目的は,看護学生へのシミュレーション教育に関する日本語版「学習指導における学生の満足度と自信尺度(SCLS)」を作成し,その信頼性・妥当性を検証することである.
方法:SCLSを国際的なガイドラインに則り日本語に翻訳し,シミュレーション教育受講後の看護系3大学の学生を対象に,無記名自記式質問紙調査によって,信頼性・妥当性を検証した.
結果:404名に調査票を配布し335名から回答を得て,分析対象は331名となった(有効回答率81.9%).クロンバックαは2因子とも0.8以上であった.I-T相関で相関係数の低かった1項目を除く2因子12項目で確証的因子分析を行い一定の適合度の基準を満たしていた.自尊感情尺度とSCLSの下位因子とは有意な正の相関があった.
結論:日本語版SCLSは,一定の信頼性・妥当性を検証でき,活用可能であると考えられる.