におい・かおり環境学会誌
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研究論文
新規生物脱臭装置を用いた複数のVOC成分を含む汚染空気の処理
樋口 能士中村 智博森田 康敬浦井 和弘
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2008 年 39 巻 1 号 p. 24-35

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抄録
通気性と接触効率に優れた担体を充填し,充填層洗浄と栄養塩供給に関する独自の機能を有する新規生物脱臭装置を用いて,複数のVOC成分を含む汚染空気の処理実験を行った.実験では,ベンゼン,トルエン,キシレンの3種混合ガスと,酢酸エチル,イソブタノール,メチルイソブチルケトンの3種混合ガスの2種類を処理対象として,連続通気実験を行った.装置は特に酢酸エチルとイソブタノールに対して高い処理能力を示し,最大除去速度(ECmax)はそれぞれ586(gm-3h-1)および295(gm-3h-1)に達した.また,VOC態炭素のバイオマスへの変換率はいずれの処理でも概ね25%であり,VOC態炭素消費と栄養塩溶液中窒素消費の比率はいずれの処理でも概ね100 : 4であった.充填担体の空隙が菌体で閉塞するまでの所要時間である気孔閉塞時間が,充填層閉塞を予測する評価指標として有用であった.
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© 2008 (社)におい・かおり環境協会
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