2012 年 43 巻 5 号 p. 320-326
宮城県では,環境省等の支援を受けながら,東日本大震災の津波被災地において,アスベストのほか,ダイオキシン類や重金属類等の有害大気汚染物質,窒素酸化物や浮遊粒子状物質等について大気環境モニタリングを定期的に実施した.その結果,環境基準や指針値が設定されている項目については環境基準等を満足し,アスベストのように環境基準等が設定されていない項目については,通常の一般大気環境とほぼ変わらない値であった.
アスベスト対策としては,大気環境モニタリングのほか,がれきの散乱場所のパトロールや被災建築物の解体工事現場の立入検査の強化,関係団体等に対する飛散防止対策徹底の要請等も行い,飛散防止対策の徹底や災害廃棄物の適正処理を促進した.
水産加工場から流出した魚介類等の腐敗による悪臭および衛生害虫の発生への対策については,市町からの要望に応じて自衛隊による駆除作業を調整するとともに,衛生講習会を開催するなど,市町を支援した.