2017 年 48 巻 1 号 p. 9-17
加熱中のサツマイモ香気の変化,および,加熱中最も嗜好性が高まる時間帯の香気について調査した.加熱温度を200℃とした場合,最も焼き芋らしく好ましいと評価されたのは,加熱開始から75~90分の間の香気だった.この香気のAEDAより,16成分が香気寄与成分として示された.これらはいずれも加熱反応による生成物であるが,加熱中の増加の仕方は一様ではなく,アミノ-カルボニル反応,ストレッカー分解,カロテノイドやフェルラ酸の熱分解といった生成経路ごとに異なる増加パターンを示した.