抄録
コロナ禍対策としてリモート勤務を実施している事業所が増加したが、メンタルヘルス対策の観点からはリモート勤務と出社勤務を組み合わせたハイブリッド勤務が望ましいとの見解が医師側から述べられた。また、メンタルヘルス不調者の中で、病気が理由で出社は困難だが、リモート勤務は可能である事例の復職方法をめぐって討議した。①当該事業所でリモート勤務を実施している場合には、まずリモート勤務から就業を再開することが選択肢となりうる、②リモート勤務が当該雇用契約における本来業務である場合に、リモート勤務への復職の適性評価と支援方法を構築することは有意義である、③さらに、リモート勤務で本来業務が遂行可能になる事例では、リモート勤務への復職が合理的配慮の点からも妥当である、など限定的ながらも肯定的な意見が多くを占めた。