抄録
現在、労働安全衛生には多くの資格が紐付いているが、産業医や一定の背景を持つ限られた資格者以外、殆ど豊かに暮らせるだけの収入を得られていない。そこで、労働安全衛生業務を積極的に行っている、労働安全・衛生コンサルタント、オキュペイショナル・ハイジニスト、社会保険労務士、保健師、心理職の方々に、①成功・失敗経験、②個人的・政策的な課題、③同じく克服策、④自身の保有する資格の意義や、それが安全衛生業務上不可欠か、について報告して頂いた。結論的に、職種によっては、罰則の強化など、法政策の支援を得る必要があるが、自律的なリスク管理を重視する法政策の展開により、専門家の活用が進むとの意見や、基本的には、自身の職種の特性(差別化要素)を的確に認識することを前提に、支援先企業のニーズを的確に捉え、それを深掘りするような自助努力が必要との意見も見られた。また、職種間、職域地域間の連携の必要性も指摘された。