2025 年 12 巻 1 号 p. 11-17
目的:本研究は,治療と仕事の両立支援における産業看護職と臨床看護職との連携方策についての妥当性を検討することを目的とした.方法:産業看護職と臨床看護職との連携方策29項目につき,デルファイ法を用い,検討した.研究協力者は,両立支援経験者である産業看護職30名,臨床看護職37名とした.結果:2回の調査を行い,29項目中1項目を削除し,研究協力者の提案を受けて新しい3項目を追加した.削除された1項目は,1回目の調査では勉強会等への参加を,「連携先」に限定していたが,2回目は「両者間」に枠を広げた.しかし,看護職の多忙さと両立支援制度の新しさのためか,2回とも同意率が80%に満たなかった.また,研究協力者提案の3項目中2項目が同意率の基準以下であったが,文献や自由記述欄の意見を検討した結果,方策として取り上げることが適切と考えた.結論:31項目を妥当性のある方策とした.