2025 年 12 巻 2 号 p. 28-37
目的:転職を経験した産業看護職のキャリア形成の軌跡を可視化することを目的とした.方法:実務経験が5年以上あり,産業看護職として就業後1回以上の転職経験のある10名に半構造化インタビューを実施し,複線径路等至性モデリング(TEM)の手法を用いてキャリア形成の過程を分析した.結果:研究協力者は30代から50代の年代で転職回数は最大4回であった.産業看護職は自己の価値観やビジョンに沿った働き方を模索し,多様な経験を実務に統合してキャリアを形成していた.その過程は「I期:基盤形成期」「II期:成長とキャリア転換の模索期」「III期:キャリア転換と自己実現の統合期」の3期に分類され,II期とIII期を行き来しながら新たな経験を重ね,社会のニーズに応じて柔軟に広がるキャリアの可能性が示された.結論:産業看護職は,転職を通じて新たな役割や経験を重ね,専門性の幅を広げ,主体的・自律的にキャリアを形成する軌跡をたどっていた.