2022 年 9 巻 2 号 p. 43-52
目的:看護系大学の教員のワーク・エンゲイジメント(WE)活性化に必要と考えていることを明らかにすること.方法:看護系大学教員への自記式アンケ―トからWEの自由記述が得られた132名を研究参加者とし,217のラベルを質的統合法(KJ法)で分析した.結果:【社会的ルールの有り様:法令の遵守と調査を通じた労働環境の整備】を基盤に【勤務条件:ワークライフバランスを重視した人員配置と労働対価】と【公正な評価:俯瞰的で研究業績に偏らない360度評価】の組織ガバナンスが整い,【看護教育の理解:看護教育の特性を鑑みた教育の在り方と労力に対する理解】【働きやすい職場:ハラスメントのない職位を超えた教員教育と環境づくり】といった仕事資源,教員の【主体的労働:自律した健康維持と前向きな仕事遂行】,【帰属の思い:大学への愛着と学生を育てる気持ち】の個人資源が相まり,WEが活性化すると考えていた.考察:WEの活性化には,社会的ルール,組織ガバナンス,仕事資源,個人資源が必要と考えた.