抄録
目的:意識下手術において,患者に対し声かけやタッチングが有用であるとされているが,安全性が損なわれる危険が
ある。医師・患者双方の意見を聴取し,役割期待から術中看護介入を考察することとした。
方法:A 病院の白内障手術執刀医19 名および白内障手術を受けた患者312 名へ質問紙調査し,役割期待を考察した。
結果:医師は「患者情報の把握」「手術進行の把握」「速やかな合併症対応」「精神的ケア」「全身状態の観察」を期待し
ており,患者へ声をかける行為は避けてほしいとの回答が多かった。
看護への役割期待があった患者は16.5%,術中看護に不満の意見はなく,手術進捗を教えてほしいとの意見が散見さ
れた。
考察:医師は手術中に一人ではできない役割を看護師に期待し連携を求めており,患者は看護に対しての期待よりも手
術チーム単位での期待がある。医師との連携強化により双方の役割期待に応えることができ,安全安楽な手術に繋がる
と考える。