2020 年 76 巻 5 号 p. I_81-I_88
本研究では,全国一律に空間解像度約1kmで人工顕熱排熱量・人工潜熱排熱量・温排水排熱量を月別・時間帯別に推定する手法を新たに構築した.本手法では全国的に手に入る地域メッシュ統計・国土数値情報に適用可能な人工排熱量原単位を検討し,民生家庭部門,民生業務部門,産業部門,自動車部門の4つに分けて人工排熱量の推定を行う.推定結果から県別の年間総人工排熱量を求め統計データと比較した結果,県別エネルギー消費量に対応した総人工排熱量が表現できていることを確認した.今後は本研究で推定した人工顕熱・潜熱排熱量を雲解像気象モデルに導入した検討を併せて行う必要がある.