日本視機能看護学会誌
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糖尿病網膜症の有病率と危険因子の検討
遠藤 弘毅 高橋 光生浦木 健彦齋藤 理幸菅原 ちさと勝田 聡加瀬 学
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2019 年 4 巻 p. 1-4

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抄録

要 旨 目的:糖尿病(DM) 患者における糖尿病網膜症(DR) の有病率と危険因子を検討すること。 対象と方法:2 型DM 患者212 例424 眼( 男性127 例,女性85 例,平均年齢66.1 歳) を対象とし,医師が眼底検査にてDR の有無を判定した。さらにDR の危険因子について,年齢,性別,DM 罹病期間,DM 投薬治療の有無,ヘモグロビ ンA1c 値,高血圧症の有無,収縮期血圧値,拡張期血圧値の8 項目を説明変数としたロジスティック回帰分析を行った。 結果:対象におけるDR 有病率は24.1% であった。DR 病期別内訳は,単純網膜症16.5%,増殖前網膜症6.1%,増殖網 膜症1.4% であった。また,DM 罹病期間がDR 発症に関連する有意な危険因子であり( オッズ比1.09,P < 0.001),最適カットオフ値9 年以上でリスクが高かった( オッズ比4.73,P <0.001)。 考察:約4 人に1 人がDR を有し,DM 罹病期間はDR 発症の有意な危険因子であった。このことを踏まえ医療従事者による疾患の啓蒙および予防医療の充実が重要と考えられた。

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© 2019 日本視機能看護学会
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