2020 年 5 巻 p. 33-37
目的:高齢の緑内障患者が複数の点眼処方により,アドヒアランスが低下する事を経験するため,影響する要因を分析し点 眼指導でのアドヒアランス改善を目指す。 方法:H29 年11 月から4 か月間,緑内障点眼薬3 本以上使用の65 歳以上の患者104 名に聞き取りで,疾患の理解,医師の説明に対する満足度や意見,点眼管理についてアンケート調査を実施した。点眼管理の結果から点眼管理良好群と不良群にわけて検討した。 結果:良好群,不良群ともに52 名。両群に有意差があったのは,疾患の理解では,治療における定期的な検査・受診,予後について緑内障が失明に至る病気の認識,医師の説明に対する満足度であった。 考察:緑内障が失明に至る病気であるという認識と,定期的な検診・受診の必要性,そして満足する説明によって,アドヒアランスが向上する可能性がある。