日本創造学会論文誌
Online ISSN : 2433-4588
Print ISSN : 1349-2454
デザインの創造性向上にむけた感性要求の獲得方法
避難所用簡易間仕切りシステムの事例研究
由田 徹藪内 公美永井 由佳里
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2022 年 25 巻 p. 131-152

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抄録
本研究の目的は、デザインの創造過程で感性語の明示により、感性要求の獲得をする一つの方法を示すことで、デザインの創造性向上にむけた知見を得ることである。人(ユーザ)の感性をデザインの創造プロセスで感性要求として獲得する方法を示し、デザインの創造性向上にむけて考察した。事例研究の対象を「避難所用簡易間仕切りシステムPaper Partition System (以降、PPS)」とした。PPSの宿泊体験実験を行い、実験協力者の感性をネットワーク図で明示した。「明るさ感」の評価語に対しては「布の輝度」を物理量として、「広さ感」の評価語に対しては「床の面積」を物理量として、ME法( Magnitude Estimation Method )による感性評価を行いその特徴を示し、その特徴を感性要求として獲得した。PPSの再デザインに向けたデザインアイデア創造のためのワークショップの実施により、複数のデザインアイデアが創造された。この結果感性要求の獲得が、デザインの創造性の向上に寄与することが確認できた。
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