日本女子体育連盟学術研究
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実践研究
リズムダンスのサンバの学習指導に関する研究
─教員養成系G大学での授業実践を通して─
田島 正浩細川 江利子
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2017 年 33 巻 p. 55-73

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抄録

本研究では,教員養成系G大学におけるダンス実技授業において,履修学生を対象としてサンバの授業を2回(「はじめの段階」 と 「やや進んだ段階」) 実践し,質問紙調査により授業後の学生の意識や学習達成感の変容を考察することによって,立案したサンバの授業の有効性について検証することを目的とした。
実施した2回の授業は,各回とも,指導者によるサンバの授業実践,指導案を参照しながら指導内容の振り返り,指導実習(学生が教師役となった展開部の模擬指導など)の3つの内容で構成した。また,各回のサンバの授業の内容と指導については,①基本である 「リズムに乗って友達と関わりながら自由に踊る力」 を身につけることを主軸とし,②サンバのリズムの特徴を感じ取れるような言葉がけや指導法を工夫し,③教師リードと学習者リードという双方向の活動を重層的に組み込んで授業を構成し,途切れのないスムーズな学習の流れを重視して授業を展開するよう工夫した。
その結果,授業後の質問紙調査の結果は以下の通りであった。 ①「サンバのリズムで自由に踊ることができそうだと思うか・難しいと思うか」 という質問に,授業前はほぼ半数の学生が 「難しい」,3割強の学生が 「どちらともいえない」 と回答したのに対し,第2回授業後は9割強の学生が 「踊ることができる」 と回答し有意に肯定的な変化が認められた。また,②「サンバのリズムで踊る楽しさ」,③「サンバのリズムの特徴の理解」,④「サンバの授業の組み立て方や展開方法の理解」 については,第1回授業後と第2回授業後では有意な傾向(②)ないし有意に(③④)肯定的な変化が認められ,第2回授業後には全員が「楽しかった」「理解できた」 と回答した。
以上より,本研究で実践した教員養成系大学の学生を対象とした授業構成,サンバの授業内容と展開,サンバのリズムの指導法については,対象とした学生たちのサンバのリズムダンスの学習において有効であったと推察された。

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© 2017 社団法人 日本女子体育連盟
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