日本女子体育連盟学術研究
Online ISSN : 2185-3401
Print ISSN : 1882-0980
ISSN-L : 1882-0980
身体性を重視した社会福祉援助技術演習プログラムの作成と実施に基づく効果に関する検討
八木 ありさ
著者情報
ジャーナル フリー

2006 年 2006 巻 23 号 p. 17-33

詳細
抄録
本論文では, ソーシャルワーカーに求められる資質を高める教育に資することを目的に, 日本における「社会福祉士養成カリキュラム」(厚生労働省1998年) から社会福祉養成に関する公的方針を明らかにし, その主要科目である「社会福祉援助技術演習」の教科書などから, 社会福祉士養成において求められる対人援助能力の基盤には, 身体性にもとづく人間理解とコミュニケーション技術に支えられた関係形成の技能が不可欠であることを明らかにした。次に, こうした関係形成の技能を効果的に養うための「身体性を重視した社会福祉援助技術演習プログラム」を作成・実施し, その内容および方法の是非について検討した。その結果, 社会福祉援助の道具としての自己及び対象としての他者を, 身体を通じて感じとり働きかける教材を含んだ本プログラムを通して, 受講者が身体に注目することの意味を感じるようになるという学習成果を得た。また, この「身体性を重視した社会福祉援助技術演習プログラム」が, ソーシャルワークの基盤となる自己と他者の理解や, 人間の多様性を受け入れる態度にふれる体験を重ねながら, きめつけずに, 相手を尊重し自分も尊重できるよう, 自己のありようを常に吟味し続ける力を準備する上で役立つことが示唆された。
著者関連情報
© 社団法人日本女子体育連盟
前の記事 次の記事
feedback
Top