近年、民間企業において障害者雇用が進んでいる。しかし、障害者の就労数は障害者全体の1割にも満たず、在宅者数は約300万人に及ぶ。その多くは所得が低く、生活保護を受けている。また、近年、障害者の高齢化が進み、満65歳以上の障害者の全体に占める割合が増加する傾向にあるため、今後、未就労の障害者が増える可能性が高い。そのため、障害者が自ら仕事を生み出し、所得を稼ぐ仕組みの構築が急がれる。
そこで、本稿では、障害者の生活や就労をめぐる状況や、「生活福祉資金貸付制度」の現状について分析を行ったうえで、同制度を障害者が創業する際の資金調達先として活用するための提言を行っている。