抄録
本研究の目的は,地域活動支援センターに通所する精神障がい者のグループワークに対する認識の変化のプロセスを明らかにすることである.方法は,看護師による心理教育の枠組みをアレンジしたグループワークに参加する6名を対象に,半構成的面接法によるインタビューを行った.分析は,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにおける継続的比較分析法を用いた.分析の結果,4個のカテゴリーと2個のサブカテゴリーが生成された.精神障がい者は,グループワークに対し,中核概念である『なりたい自分になりたい』という思いに支えられながら参加しており,「安心への基盤を形成」することで「変化への基盤を形成」し,さらに「未来への可能性」を認識するプロセスを有した.以上から,精神障がい者はなりたい自分像に向かって変化しようとする能動的存在であり,看護師によるグループワークは彼らの前向きな変化をサポートできる支援方法である可能性が示唆された.