2016 年 25 巻 1 号 p. 47-55
精神疾患患者に対する疼痛アセスメント方法を質的記述的に明らかにし,疼痛アセスメント方法の発展に向けた示唆を得ることを目的とした.経験年数5年以上の熟達した看護実践者をネットワークサンプリングにより選出し,半構造化面接を行った.形成された29カテゴリから,精神科看護師としての責務を自覚した態度および共感的態度をもったアセスメントの方法,疼痛の訴えがわかりにくい患者の情報を収集する方法,精神疾患患者の特徴に合わせた情報解釈の視点や疼痛の原因を特定する方法が明らかになった.以上から,疼痛アセスメントを行う際に必要とされる態度の獲得,多角的な情報収集をするための方法の習得,疼痛の原因と状態の分析力の向上をめざした学習によって,精神疾患患者の疼痛アセスメントの精度向上につながる可能性が示唆された.