日本精神保健看護学会誌
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総説
医療観察法に基づく医療における看護実践に関する文献検討
松浦 佳代
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2020 年 29 巻 2 号 p. 1-8

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抄録

本研究の目的は,1)医療観察法における看護実践に関する研究の動向把握,2)看護実践の内容分類,3)看護実践上の課題の検討である.医中誌Webを用いて2003年から2019年9月現在までに報告された文献を検索し26件を分析対象とした.看護実践は「ケアコーディネーター」,「入院時面接・入院時オリエンテーション」「対象行為・病識獲対象行為に関する話し合い・内省の深化や病識獲得」,「リスクマネジメント」,「退院後の地域での生活および療養」,「その他」の6カテゴリーに分類できた.看護実践上の課題は,所属する各チームにおいて期待される役割を意識した看護の実践,対象行為の確認や内省の深化を核とした看護実践の展開,看護師が主体的に意見を発信する能力の養成であった.医療観察法に基づく医療は精神医療における政策医療の一つであり,提供する医療や看護の均てん化が求められる.今後,指定医療機関での看護実践状況の把握が期待される.

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© 2020 日本精神保健看護学会
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