目的:メンタルヘルス領域のピアスタッフと働く専門職者が,ピアスタッフとの協働にむけてどのような経験をしているかを明らかにすることである.
方法:ピアスタッフと1年以上一緒に働いた経験をもつ精神保健福祉士,看護師等の専門職者15名に,インタビューガイドを用いて1対1での面接を行った.逐語録を質的記述的に分析した.
結果:ピアスタッフとの協働にむけて専門職は,〈対等な関係・対等な参加の機会をつくる〉,〈ピアスタッフから学ぶ〉を中心に,〈ピアスタッフの強みを理解する〉,〈ピアスタッフの悩みを理解する〉,〈ピアスタッフの体調をみる〉,〈実践を通して仕事に慣れる機会をつくる〉,〈社会経験に応じたサポートをする〉関わりと,〈ピアスタッフが孤立しないような職場環境をつくる〉,〈ピアスタッフとの協働への抵抗を認識する〉,〈雇用方法を検討する〉ことを行っていた.
考察:ピアスタッフとの協働にむけて,対等性・相互性というピアサポートの特徴的な関係性を組織の中に内包し,ピアスタッフが仕事を続けられるような職場環境を構築することが求められる.