抄録
集団遺伝学 (population genetics) の理論は1930年代のFishe, Haldane, Wright等の研究が中心となって急速な発展を遂げた.それらの理論は,主として,進化の機構を解明しようとするものである.一つの種を対象として,その種のいくつかの遺伝子座における複対立遺伝子の頻度の,動力学(dynamics)と静力学(statics)を自然淘汰,突然変異,交配機構,移住等の影響のもとに研究することが主なものであった.これらの先駆者り主な理論のいくつかと,その後に展開された主なものを紹介したい.