抄録
樹形回帰分析は古典的重回帰分析よりも交互作用効果を容易にモデル化できる.しかし,全ての共変量の効果を層別のみで説明するため,深く大きな回帰木を形成してしまう傾向がある.特に,全サンプルあるいは,あるサンプル群に共通の複数の効果が存在する場合,多くの類似した部分木を含む木を推定することとなる.そこで,本研究では,この冗長性を避けるため,決定節に線形回帰項を含みうるよう拡張したモデルを提案する.これは,線形回帰項により主効果を説明し,層別により効果の異質性を説明する樹形回帰モデルとなる.この場合,多くの候補モデルが存在し,モデル選択が大きな問題となる.そこで,MDL基準を用いることにより,モデルの推定アルゴリズムを提案する.この基準は最大の交互作用効果をもつ分岐変量条件の選択とも解釈できる.最後に,数値例と高齢者介護時間データにより提案手法の有効性を示す.