ウイルス
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総説
EBウイルスとリンパ腫原性
木村 宏奥野 友介
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2019 年 69 巻 1 号 p. 13-22

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抄録

 Epstein-Barr virus (EBV)はヘルペスウイルス科に属する二本鎖DNAウイルスである.腫瘍ウイルスであるEBVは様々なリンパ系腫瘍と関連しており,そのリンパ腫原性については,MYCの転座・活性化など,Burkittリンパ腫を中心に広範な研究がなされてきた.しかしながら,Burkittリンパ腫以外のリンパ系腫瘍については,レセプターや宿主遺伝子の役割を含め,腫瘍化メカニズムについて不明な点が多く,その全貌は明らかとなっていない.近年,我々はEBV関連リンパ腫で,高率に欠損ウイルスが認められること,ウイルス複製に関わる遺伝子を欠損した場合にリンパ腫形成能が増すことをマウスモデルで示し,報告した.これまでも他の腫瘍ウイルスの遺伝子変異について多くの報告があるが,EBVのように70以上の遺伝子を有する大型ウイルスでの遺伝子欠失の成り立ちと意義については,未だ不明な点が多い.本稿では,欠失EBVを含めた最近の知見を中心に,EBVのリンパ腫原性について概説する.

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