2025 年 86 巻 4 号 p. 506-511
症例は84歳,女性.食思不振と嘔吐を主訴に救急外来を受診した.胸部単純X線検査・胸腹部CTで食道裂孔ヘルニアの疑いとなり,上部消化管内視鏡下に整復を行った.退院後も症状が再燃し,精査で横隔膜傍裂孔ヘルニアの診断に至り手術加療の方針となった.腹腔鏡下に食道裂孔とヘルニア門の閉鎖,メッシュ留置,Toupet法による噴門形成術を行い,現在術後1年が経過し再発を認めていない.
横隔膜傍裂孔ヘルニアは稀な疾患であり術式に関して一定の見解は得られていないが,再発や術後の胃食道逆流症の予防が重要と考えられる.今回われわれは,横隔膜傍裂孔ヘルニアに対して内視鏡的整復を行い,待機的に腹腔鏡手術を行った1例を経験したので報告する.