抄録
化学物質が安全でなければならないとすると,得られたデータから安全な量,あるいは許容量を推定しなければならない.最近用量-反応関係に基づいて複数の水準,assurance level, risk level, threshold levelを用いて安全性を評価する手法の研究が活発になされている.データからコンザーバティブに且つシャープに推定する方法が望まれている.しかし未だ不十分な段階でしかない.
ここでは基礎的な2つの手法―プロビット解析および許容限界に基づく手法―を代表的なデータにご適用した.従来提案されているホッケー・スティック回帰および安全係数を掛ける方法と比較した.複数の水準を用いる方法が見通しが良く,より実際的であることが示唆された.