抄録
本研究の目的は、小学校6年生を対象にした算数の学習において、①やる気が喚起される場面を把握すること、②熟慮衝動型認知スタイルがやる気の喚起される場面に及ぼす影響を明らかにすることであった。公立小学校7校247名(有効回答222名)に質問紙による調査を実施し、因子分析を行った結果、「充実・実用志向」、「関係・自尊志向」、「活動的授業志向」の3因子構造が確認された。これらの3つの因子と熟慮衝動型認知スタイル群(上位群・中位群・下位群)を二元配置の分散分析によって分析したところ、熟慮型傾向の強い子どもの方が、「充実・実用志向」「関係・自尊志向」「活動的授業志向」のいずれの場面においてもやる気が喚起されている傾向が示され、熟慮衝動型認知スタイルがやる気の喚起される場面に影響を及ぼすことが明らかとなった。さらに、熟慮衝動型認知スタイル群ごとに比較した結果、上位群(熟慮型傾向)では「充実・実用志向」、下位群(衝動型傾向)では「活動的授業志向」の優位性が高く、熟慮衝動型認知スタイル群によってやる気が喚起される場面が異なることが明らかとなった。