2024 年 16 巻 2 号 p. 291-294
症例の概要:62歳女性.上顎義歯の動揺による咀嚼困難を主訴に来院した.上顎前歯部および,下顎臼歯部に可撤性部分床義歯を使用しており,右側小臼歯部に咬合接触を残すのみであった.類すれ違い咬合を呈する本症例に対して,インプラント支持による固定性補綴装置を用いて機能回復を行った.
考察:咬合支持域の減少により義歯の安定が失われていた患者に対して,インプラント支持による固定性補綴装置は,咬合支持域を増加させ,咀嚼機能の回復に寄与したと考えられた.
結論:類すれ違い咬合を呈する症例に対して,インプラント支持による固定性補綴装置を用いて機能回復を行い,良好な経過が得られた.