抄録
本稿では大学が実施する東南アジアでの長期海外インターンシップに参加した学生のオンラインコミュニケーションにおける用途と目的の変化を検討した。参加学生2 名を対象としたPAC(Personal Attitude Construct)分析による態度構造を検討した結果,オンラインコミュニケーションの対象者は海外インターンシップ科目参加前の学生・家族から社会人・外国人へと広がり,新しいコミュニティに入るためにその文化へ適応しようと努力をしていた。そしてオンラインコミュニケーションは,主に家族や既存の友人との連絡手段であったものから,共同目標を達成するコミュニケーションへと変化していた。また海外インターンシップ中の学生は,日本のコミュニティとつながり,居場所を確保した上で新しい環境にて挑戦をし,帰国後は大学へスムーズに戻ることができていた。ただし対面コミュニケーションにおいて不安を持つ学生はオンラインにおいても不安を持つため,インターンシップ業務内容の配慮やオンライン上でのビジネスマナーに関する研修の必要性が示唆された。