質的心理学研究
Online ISSN : 2435-7065
想起された〈独我論的な体験とファンタジー〉事例の3 次元構造
独我論の心理学研究へ向けて
渡辺 恒夫, 金沢 創
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2005 年 4 巻 1 号 p. 115-135

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抄録
著者自身の体験を含む例外的個人的体験としての〈独我論的体験〉から出発し,組織的な体験事例の抽出とモデル構成によって,これを,心理学のテーマとなりうる現象へと展開することが,本研究の目的である。第Ⅰ節では,哲学史上の世界観説としての独我論に対応するような体験や想いが子どもの頃の回想として報告される偶発的事例を紹介し,研究への動機付けとした。第Ⅱ節では,大学生から多数の独我論的体験類似の事例が得られている自我体験質問紙調査をフィールドとして選び,それらの事例がいかにして得られたかを方法論的に考察した。そして,そこで用いられている事例の収集のための質問紙法を〈回想誘発的質問紙法〉と名づけた。また,事例の判定法を,〈主体変様的方法〉として特徴づけた。第Ⅲ節では,3 つの自我体験調査で得られた独我論的体験類似の事例を,3 名よりなる判定チームによって判定し直し,60 例を〈独我論的な体験とファンタジー〉事例として抽出した。さらに,それらを〈他者への疑い/世界への疑い〉,〈俯瞰する/俯瞰される〉,〈哲学的/ファンタジー的〉という3 種の分類軸によって分類し,3 次元空間に配置して構造化した。第Ⅳ節では,方法論的な反省および,構成されたモデルの意義の考察がなされた。
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© 2005 日本質的心理学会
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