第四紀研究
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論説
関ヶ原周辺における段丘編年と活断層の活動性
石村 大輔
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2010 年 49 巻 5 号 p. 255-270

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抄録
関ヶ原周辺地域の段丘面の編年を行い,活断層の変位速度を求め,近畿三角帯北東縁の断層活動について検討した.空中写真判読および現地調査により,7段(H面群,M1~2面,L1~4面)の段丘面を認定した.段丘構成層および被覆層中に鬼界アカホヤ火山灰(K-Ah),姶良Tn火山灰(AT),鬼界原火山灰(K-Tz)の層準が認められた.火山灰分析と段丘面の地形学的特徴から,形成年代をM1面(90~130 ka),M2面(50~70 ka),L1面(20~30 ka),L2面(15~20 ka),L3面(10~15 ka),L4面(10 ka以降)と推定した.さらに,活断層の上下変位速度を,段丘面の変位量と形成年代から求め,水平変位速度は河谷の屈曲量と上流の長さから推定した.その結果,本地域の活断層の多くは活動度B級であり,一部はA級になることが明らかとなった.近畿三角帯北東縁の活断層の変位速度分布から,本地域の濃尾平野側での上下変位速度の和と水平変位速度の和の比は1 : 0.4~1.2で,近江盆地側では1 : 2.1~8.7となり,南部の逆断層帯から本地域を通じて北部の横ずれ断層帯へ移行している可能性が高い.また,近畿三角帯北東縁の断層活動は,沈み込むフィリピン海プレートの形状や深度が影響を及ぼしている可能性がある.
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© 2010 日本第四紀学会
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