第四紀研究
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特集 2009年度日本第四紀学会シンポジウム「第四紀の開始期の環境変動とテクトニクス : 第四紀の新定義を検証する」
哺乳類化石の変遷から見た日本列島と大陸間の陸橋の形成時期
樽野 博幸
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2010 年 49 巻 5 号 p. 309-314

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抄録
日本の鮮新・更新統から産出する長鼻類化石各種の出現年代を,最近の知見に基づいて整理し,大陸産の関係の深い種の産出層準と比較することで,日本列島と大陸の間に陸橋が形成された時期を推定した.西方ルート(東シナ海あるいは黄海経由)が形成された時期は,中新世/鮮新世境界付近,120万年前,63万年前,43万年前と考えられる.このルートの陸橋は,鮮新世中頃にも存在した可能性がある.また最終氷期の初期には,北方ルート(大陸—サハリン—北海道)の陸橋が形成されたと考えられる.
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© 2010 日本第四紀学会
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