大阪平野の上町台地南部の台地構成層中に挾在する火山灰・含有化石の記載・分析ならびに有機物の14C年代測定をおこなった. その結果, 中位段丘層相当層の上町層上部から北花田火山灰, 吾彦火山灰を発見し, それぞれ広域火山灰のK-Tz, Aso-4に対比し, 上町層上部の堆積時期を知る手がかりを得た.
さらに, 上町層を不整合に覆う常盤層の存在を指摘し, 平安神宮火山灰が挾在すること, その直下から23,400年BPの14C年代測定値を得たことから, 常盤層を低位段丘層に対比した. 以上より, 従来中位段丘面とされていた本地域の台地面は, 常盤層の堆積面, すなわち低位段丘面であることが明らかになった.