第四紀研究
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大阪湾と伊勢湾の活構造
岩淵 洋
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2000 年 39 巻 4 号 p. 303-314

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抄録

内湾に潜在する活断層の検出と,基盤の形状を明らかにすることを目的として,大阪湾および伊勢湾において反射法音波探査を実施した.
大阪湾には,大阪湾断層,津名沖断層のほか,いくつかの活断層が潜在している.活断層が基盤に変位を及ぼしているために,大阪湾の基盤形状は複雑であり,これを埋積する堆積層の厚さは2,700m以上に達する.大阪湾断層の北部で行ったボーリング調査では,断層が千数百年前に活動したことが示唆される.
伊勢湾には伊勢湾断層,鈴鹿沖断層,白子-野間断層が伏在している.伊勢湾においても,基盤形状は複雑である.堆積層の厚さは1,700m以上ある.伊勢湾断層北部におけるボーリング調査では,断層が更新世後期以降動いていないことが明らかとなった.

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