第四紀研究
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房総半島における縄文時代集落の立地
下総湾岸地域・九十九里沿岸地域の事例
菊地 真
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キーワード: 湧水, 集落立地, 縄文時代
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2001 年 40 巻 3 号 p. 171-183

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抄録
縄文時代の集落はなぜそこに立地しているのか.この問題について,集落立地と自然環境との関係,ことに水的適応の面から検討を行った.
集落は基本的に,支谷谷頭に面する台地・段丘上という地形的位置に立地する.この立地はまた湧水地帯と重なる.集落は半径200m以内で湧水を得られる地形的条件にある.堅果類の水さらし加工は豊富な湧水の利用が効果的であるが,集落出土の遺物組成は,生業活動におけるそれら植物加工の重要性を示している.湧水と生業活動,集落立地との関係は,縄文人の水的適応の存在を表している.
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