第四紀研究
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段丘面の高度分布からみた東北日本弧中部の地殻変動と山地・盆地の形成
田力 正好池田 安隆
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2005 年 44 巻 4 号 p. 229-245

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抄録

気候変動と海面変動に応じて規則的に河床高度が変化し,段丘が形成されるというモデルに基づいて,河成・海成段丘の高度分布から,東北日本弧中部の第四紀後期(約15万年前以降)における地殻変動速度とその分布を推定した.さらに,既存の地質学的・地球物理学的データによる知見を加えて,東北日本弧中部における盆地・山地の地形形成機構を推定した.その結果,(1)過去約15万年間の地殻変動パターンが100~数100万年間継続して,現在の地形が形成されてきたこと,(2)明瞭な山地と盆地の境界は活断層の活動によって形成されたこと,(3)東北日本弧中部の山地・盆地の形成とその配置は,島弧-海溝系に平行な軸を持つ地殻の変形と,それに直交する軸を持つ地殻の変形との重合によること,などが明らかにされた.

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