第四紀研究
Online ISSN : 1881-8129
Print ISSN : 0418-2642
ISSN-L : 0418-2642
山形盆地と外縁山地の形成
山野井 徹
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 44 巻 4 号 p. 247-261

詳細
抄録

山形盆地の周辺山地の形成に関して,これまでは盆地側での地質や構造と,周辺山地での侵食現象は別個に扱われてきた.本研究では,それらを同一の構造運動を通して関連づけ,その構造運動は10Ma頃以降の太平洋プレートからの圧縮応力に起因するものとした.それらは長い期間にわたって,ゆるやかな変動をもたらした「第一期圧縮変動」と,更新世中期から急激な短縮変動を与えた「第二期圧縮変動」に分けられる.山形盆地は,この第二期圧縮変動に伴って新たな堆積盆地として形成された.他方,周辺山地では火山を伴う場所は大崩壊を起こし,非火山性の山地は地すべりなどによる急激な侵食が進行した.このような第二期圧縮変動によって起こされた侵食を「ネオエロージョン」と呼んだ.現在見られる地形はこのネオエロージョンの産物である.

著者関連情報
© 日本第四紀学会
前の記事 次の記事
feedback
Top