抄録
燃料電池自動車(FCV)・移動体用技術開発ロードマップ(NEDO、2017年)では、FCVの航続距離の達成目標を2030年頃までに800km以上、2040年頃までに1000km以上と設定している。大型トラック・バス等については、先行する乗用車の燃料電池技術を応用した技術開発が進められているが、圧縮水素貯蔵では貯蔵密度の大幅向上が見込めないため、荷室容積を確保した上での航続距離の向上に限界が見えてきている。そこで、水素貯蔵密度の大幅向上が期待される液体水素貯蔵の可能性を調査するため、2020年度~2021年度にNEDO委託調査「大型FCV燃料装置用液化水素技術に係るフィジビリティ調査」を一般社団法人日本自動車研究所と岩谷産業株式会社で実施した。本稿では、調査結果の一部を紹介する。