村落社会研究ジャーナル
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調査実習
アクション・リサーチとしての社会調査実習
平井 太郎
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2023 年 29 巻 2 号 p. 39-46

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抄録

 本企画では、地域調査実習で試みた実習手法や直面した課題、身につけたノウハウなどを担当者に紹介してもらい、そうした具体的実践を会員間で共有化することを目的に据えた。
 周知の通り、現在、数多くの大学が地域調査実習をカリキュラムに取り入れている。村研会員の中にも実習を担当している人は少なくないが、お互いの実習の手法を知る機会はきわめて限られていたように思う。一言に実習といっても、そのプロセスはじつに多彩である。実習の受け入れ先の選定にはじまり、協力を仰ぐ組織や代表者との調整、学生への事前説明や調査準備、そして実習当日における調査の実施、またそれに伴う学生の引率、移動手段の確保等々。近年では、報告会やワークショップ、農作業や地域活動への参加など地域還元のあり方も多様化し、その工夫が急務となっている。
 調査実習が重要視される背景として、地域連携や地域活性化など、大学の社会貢献を強く求める時代情勢は無視できない。また調査法の多様化や調査倫理の問題(より根本的には調査者と被調査者の関係の変化)など調査のプロセス自体を見直す学術的機運も見逃せないだろう。さまざまな実習事例の蓄積を通して、こうした時代情勢に対する理解が深まり、新たな調査研究方法の模索が進むことを期待したい。
(編集委員会)

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