日本テスト学会誌
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Print ISSN : 1880-9618
事例研究論文
ラッシュモデルによるプレースメントテスト改訂版の検証
坂野 永理渡部 倫子
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2015 年 11 巻 1 号 p. 99-109

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抄録

本稿は2012 年に改訂された日本語コースのプレースメントテストをラッシュモデルを使い検証したものである。分析では2012 年版と旧版テストのデータを用い,改訂がテスト結果にどのように影響を与えたかを検証した。受験者は国内の大学の日本語プログラムに在籍する留学生487名である。分析の結果,改訂の意図通り2012 年版のほうが旧版よりテストの難易度が高いことが確認された。一方で,問題文のルビの削除を行った改訂については,削除によって難易度が変化したとは言えないことも明らかになった。また,2012 版テストの難易度は受験者の能力に比べて依然低く,難易度の高い項目を増やす必要や,新たに追加した項目の中の選択肢がうまく機能していない項目の修正など,今後改訂すべき点も明らかになった。

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