日本テスト学会誌
Online ISSN : 2433-7447
Print ISSN : 1880-9618
論文
学習者の自己イメージ・学習スタイルと英語の読解・聴解試験成績
内田 照久杉澤 武俊椎名 久美子
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2008 年 4 巻 1 号 p. 41-52

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抄録

本研究では, 英語の聴解・読解成績と, 学習者の性格特性や学習スタイルとの関係性について, 大学1年生を対象として行ったモニター実験調査のデータを基に検討した. 英語成績の指標として, 平成18年度のセンター試験に新たに導入されたリスニングテストを含む英語の試験を用いた. 学習者の性格については, 性格特性5因子モデルに基づくBig Fiveの性格特性尺度を用いて質問紙調査を行った. 英語の学習スタイルについては, 聞く・話す能力,読む・書く能力を陶冶すると考えられる学習方法に関する評定項目を作成し, 音声技能強化型, 大意推量把握型, 語彙文法重視型の3つの因子を尺度化した. 分析では, 性格特性の5指標, 学習スタイルの3指標, 英語試験成績の2指標を対象としてパス解析を行った. その結果, 学習者が取りがちな英語の学習スタイルは, 個々の性格特性ごとの特徴に呼応して, それぞれ一定の方向性を持って異なる様相が見いだされた. そして, 学習スタイルの違いは, 総合成績や筆記と聴解の学力パターンに関係があることが示唆された.

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© 2008 日本テスト学会
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