2011 年 7 巻 1 号 p. 85-98
単一グループデザインのもとで下位テストから構成されるテスト間を等化するとき,(a) 合計得点を利用して等化する方法と(b) 下位テスト間を等化してから等化得点を合計する方法が考えられる.本論文では,前者を「合計得点による等化」,後者を「下位テスト得点による等化」と呼ぶ.本研究の目的は,とくに等化の標準誤差の観点から両者の等化方法を比較することである.そのため,法科大学院統一適性試験の下位テストのうち多枝選択式の三つの下位テストに関する試験結果を利用してシミュレーション研究を実施した.その結果,両者の等化方法による等化得点に大きなちがいはないものの,等化の標準誤差については「下位テスト得点による等化」のほうが全般的に誤差が小さく,一定の誤差以下で等化が可能な得点の範囲が広いことがわかった.シミュレーションの範囲内では,「下位テスト得点による等化」のほうが等化の標準誤差の点で有利であると結論できる.