2024 年 80 巻 21 号 論文ID: 24-21011
日本のアスファルト舗装は,繰り返し再生利用が進んでいると見られ,「再生の繰り返し」に起因した骨材からのアスファルト剥離等の性能低下が懸念されている.アスファルト混合物の剥離抵抗性評価法としては水浸WT試験が国内で広く普及しているが,再生混合物は通常の混合物より耐流動性が高くなる傾向があり,剥離抵抗性を正しく評価できない可能性がある.本研究では,室内で繰り返し再生した混合物をHWT試験に供し,得られた結果から3通りの方法で剥離抵抗性評価を試みた.載荷回数とわだち掘れ深さの関係を近似曲線にフィッティングするSN(回)法を用いた評価結果は,繰り返し再生回数による剥離抵抗性への影響を反映しており,剥離抵抗性評価から耐流動性の影響を分離できる可能性が示された.