2024 年 45 巻 1 号 p. 46-56
本稿では、日本学生相談学会および学生相談関連の全国的な会合を中心に、2023年度における学生相談界の動向を報告し、今後の展望について考察を行った。2023年度の学生相談界の特徴は、昨年度まで半数近くを占めていた新型コロナウイルス感染症に関するテーマが顕著に減少したことである。各大学においても活動制限が撤廃されると共に対面中心のキャンパス運営体制に戻りつつあり、社会全体がようやくポストコロナと言える段階に入ったと考えられる。 ポストコロナと呼ぶべき時代においては、コロナ禍で整備された体制や習慣をそのまま続けるのではなく、コロナ禍で経験したこと・失った(あるいは得た)ものを振り返ること、そして人と共に 「居る」という体験を積んでいくことが肝要である。学生支援では、アウトリーチ型支援やピア的な関わりを通じて学生同士が「つながり」を感じ、人と共に「居る」体験を積み直してゆけるような作業やプロセスが必要になるだろう。