学生相談研究
Online ISSN : 2758-0067
Print ISSN : 0914-6512
研究論文
臨床心理士が障害学生支援のコンピテンシーを獲得していくプロセス
岸川 加奈子
著者情報
ジャーナル フリー

2025 年 46 巻 2 号 p. 131-143

詳細
抄録

 障害者差別解消法の改正以降、全ての大学で合理的配慮の提供が義務化され、障害学生支援担当者の配置も進んだ。本研究の目的は、臨床心理士資格を持つ支援担当者が障害学生支援のコンピテンシーを獲得していくプロセスを明らかにすることである。13名の支援担当者にインタビュー調査を行い、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した結果、24個の概念と5個のカテゴリーが抽出された。
 支援者は障害学生支援と個別カウンセリングの差異を感じる等の体験をしながら、学内外のリソースを活用し不慣れな業務を遂行していく。やがて大学内で障害学生支援の理念が共有され、活動が発展していくプロセスが示された。
 考察では、支援者がコーディネート機能を意識するようになることと障害の社会モデルとの関連を指摘し、ケースマネジメントの視点を持つ必要性を示した。障害学生支援は将来的に、支援担当者によるコーディネートの範囲に留まらず、大学組織へのマネジメントを要する可能性が示された。

著者関連情報
© 一般社団法人 日本学生相談学会
前の記事 次の記事
feedback
Top