「政治」と「集まり」の間

体制変換期ネパールにおけるランの「公的」な語りの諸相

抄録

本発表は、極西部ネパールのマハカリ県ダルチュラ郡ビャンス及地域及びその周辺を故地とし、ランという自民族名称を共有する人々が、ラン内部の多くの他者に対して定められた場で何かを語る場面における言語使用の諸相を、具体的なデータの分析を通じて、言語人類学的に検討するものである。各々の話者が、複数の異なった言語、知識体系、論理等々の間を如何に調停し、それが如何なる効果を生んでいるかに焦点が当てられる。